プロローグ

キキィーーーーーー・・・バァンッ!!!!!

トラックの急ブレーキの音の後、何かがぶつかった鈍い音がして一人の男子高校生の身が路面に投げ出された。
遅れて近くにいた女性が悲鳴を発し、その場に混乱が走る。
トラックに撥ねられた高校生の名は東雲超時(しののめ こうじ)。
彼は、客観的にみるとごく普通の高校生だが彼には一つ誰に言っても信じてもらえない問題がある。

それは   時空間を移動できる時空跳躍術を持っていること   だった。

幼い頃にこの能力に気付いた彼は周りの人に相談するも信じてもらえず、一人その能力について悩んでいる。
その能力も個人の意思で発動するのではなく、突発的に、または大きなショックが与えられる事によって発動してしまうので彼はその問題に頭を抱えているのであった。
つまり、今道路で倒れているのは彼の肉体のみで、その精神はトラックに撥ねられた大きな衝撃で肉体を離れ、彼の能力の発動と重なってしまい、時空を超えてはるか遠方にある世界「幻想郷」へと飛ばされていくのであった。

一方、その幻想郷にある洋風な造りの紅い大きな屋敷「紅魔館」。
ここで一人の幼くもカリスマオーラを漂わせる悪魔が全て判っていたように窓に映る月を見上げ不適な笑みを浮かべた。

これはそんな悲劇に遭遇した一人の高校生と一人の紅い悪魔の物語・・・

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