プロローグ



―――――――新入生の諸君、入学おめでとう。

今年めでたく高校生を迎え、この【星殿学園(せいでんがくえん)】に入学し、真力の本格的な指導が始まる諸君らには中学で学んだ事も踏まえ、

ここでもう一度真力について簡単に説明しておこうと思う。

昔も今もこの世界に生きる人間には当人にも解らない不思議な力が其々宿っている。

人々はそれを「真力」と呼び、その不思議な力を古来から研究・実践を繰り返し、今日を生きる人間の生活をサポートするまでに発展させた。

「真力」というものは古来から人間の内に秘める不思議な能力である。

また、そんな千差万別な種類のある真力を区分けしたがりな古の人間はその能力を「ツール」「チェンジ」「マジック」の三種類に大まかに分類した。

其々の特性については学習済みだと思うので省略するが各々しっかり理解しておくように。

そして、その真力を発動するためにはある媒体が必要になり、その媒体はその人が生まれた誕生石であることが分かっている。

本校では特にその真力の授業に力を入れ、諸君らには学期末に行われる模擬テストで合格したものに本物の誕生石を与えている。






「誕生石、ねぇ・・・。」
(俺は二月生まれだから・・・アメシスト、になるのか)

移動中で揺れる電車の中、一人の高校生はその学園案内をパラパラとめくりながら呟いた。

彼の名は如月光(きさらぎ ひかる)。この春に彼が今眺めている学園案内の学園「星殿学園」へ入学した高校一年生だ。

そんな彼は今電車に揺られ星殿学園のある街「河野市」へ向かっている途中で、その街は都心から電車で数十分のところに位置している。

(それにしても、この学園案内・・・さっぱりとしてるよな。中途半端な説明なんかいらねーよな。中学で大体のことは習ったからな。)

そんな事を考えつつ彼はやれやれと溜息をつく。

これはその河野市を舞台にした一人の高校生の日常(?)を描くほのぼの学園とちょっとしたSFアクションを交えた物語である。

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